骨は治るのに歯は治らない?エナメル質と骨の決定的な違い

転んで骨を折っても時間が経てば自然に治るのに、歯が虫歯や摩耗で削れると元に戻らないのはなぜでしょうか。実は、歯と骨は見た目こそ似ていますが、仕組みはまったく異なります。ここでは、再生力のある骨と、再生できない歯の違いをわかりやすくご紹介します。
目次
歯の表面を守るエナメル質
歯の外側を覆うエナメル質は、人間の体の中で最も硬い組織といわれています。毎日食事で加わる強い力にも耐えられるのは、このエナメル質のおかげです。
ただし、エナメル質には血液や神経が通っていないため、傷ついたり失われたりしても自然には回復しません。一度失った部分は修復されないため、削れたらそのまま残ってしまうのです。
骨は代謝で生まれ変わる
骨は「生きた組織」と呼ばれるように、常に作り替えが行われています。血管を通じて酸素や栄養が運ばれ、新しい骨が作られ、古い骨が壊されるサイクルが繰り返されています。この仕組みを骨リモデリングといいます。
そのため、骨折しても時間が経てば自然に治るのです。骨と歯の違いは、この代謝の有無が大きな分かれ目になります。
歯の内部は骨に似ている部分も
歯全体が再生できないわけではありません。表面のエナメル質の内側には「象牙質」や「セメント質」といった層があります。これらは骨に近い性質を持ち、わずかに修復しようとする働きを持っています。
しかし、その修復は限定的で、欠けた部分が完全に元通りになることはありません。骨のような強い再生能力は持ち合わせていないのです。
歯と骨の違いを比べてみる
・エナメル質:血管なし、再生できない
・骨:血管あり、代謝により修復可能
・象牙質・セメント質:骨に似た性質を持つが修復力は弱い
同じ硬い組織でも、仕組みが大きく異なることがわかります。

歯を失わないためにできること
骨と違い、歯の表面は壊れると戻らないため、予防が最も大切です。毎日の歯みがきやフッ素の活用に加え、定期的な歯科検診で小さな異常を早めに見つけることが重要です。
特に酸性の飲み物や歯ぎしりなどはエナメル質を大きく傷つけるため、普段から意識して避けることが望ましいでしょう。
まとめ
骨は血管と代謝の仕組みがあるため修復できますが、歯のエナメル質にはその力がありません。
・骨=治る組織
・歯のエナメル質=壊れたら治らない組織
この違いを理解すると、歯を大切に守る理由がよくわかります。日々のケアと定期的な検診で、かけがえのない歯を守り続けましょう。

医療法人隆歩会 京橋あゆみ歯科クリニック
院長 野田大介








