口腔外科

抜歯、歯の炎症や外傷の処置…

当院では、虫歯や歯周病以外にも多様な口腔トラブルに対応する口腔外科を設けております。歯の外傷、口腔粘膜の異常、顎関節症など、お口のさまざまな問題でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

口腔外科とは

口腔外科は、外科的手術を要する口腔の疾患を扱う診療科です。これには、顔面や口腔の外傷処理、口内炎の治療、顎関節症の管理、親知らずの抜歯などが含まれます。一般歯科では対処が困難な症例に対して、専門的な診察と治療をしています。

歯の外傷の治療

外傷によって歯が折れたり、抜けたりした場合は、は、口腔外科で専門的な治療を受けることが重要です。

歯が折れた場合の治療

軽度の損傷

歯冠がわずかに欠けた場合は、コンポジットレジンを用いて修復します。

重度の損傷

歯が大きく折れている場合、詰め物や被せ物を使って形と機能を回復させます。歯の神経が露出している状態では、根管治療が必要になります。

完全な破折

破折片が保存可能な場合、元の位置に戻して固定することができます。

歯が抜けた場合の治療

脱臼(抜け落ちる現象)

特に永久歯で発生した場合、可能な限り元の位置に再植します。乳歯の場合は、将来の歯並びに影響を与えないよう注意が必要です。

再植不可能な場合

歯が元に戻せない時は、ブリッジ、入れ歯、またはインプラントによる補綴治療(ほてつちりょう)が考慮されます。

歯が抜けた時にすべきこと

外傷により歯が脱臼した場合、迅速かつ適切な処置が必要です。以下の手順に従ってください。

対処1 患部の止血

出血がある場合は、清潔なガーゼを使って患部を軽く圧迫し、出血を抑えてください。

対処2 歯根膜の保護

歯根膜の状態によって、抜けた歯を元に戻せるかは大きく左右されます。抜けた歯は汚れていても強くこすらず、水道水で軽くすすぐ程度に留めてください。また、歯を乾燥から保護することが非常に重要です。

対処3 抜けた歯の保管

抜けた歯は、可能であれば歯の保存液(ティースキーパー)に浸してください。保存液がない場合は、牛乳や生理食塩水の中へ保管ください。どちらも難しい状況では、抜けた歯を清潔な布に包んで湿らせた状態で保持するか、口の中の頬側に挟んで歯科を受診ください。

対処4 速やかな歯科受診

歯の再植は時間との勝負です。事故直後はできるだけ迅速に歯科医院に連絡し、事故の詳細を説明した後、速やかに診察を受けることをおすすめします。再植の成功率は、抜けた後の処置が早ければ早いほど高まります。

顎関節症の治療

口腔外科では、顎関節症の診断・治療にも対応しております。

こんな症状はありませんか?

  • 口を開ける際の痛み
  • 顎の動きに伴う「カクッ」という音
  • 口が大きく開かない
  • 起床時の顎のだるさや痛み
  • 顎の筋肉の痛みや疲労感

これらの症状がある場合は、顎関節症の可能性がありますので、当院の口腔外科にご相談ください。

顎関節症の原因と治療

顎関節症は、次に挙げるような要因から引き起こされることがあります。

  • 長期にわたる歯ぎしりや食いしばり
  • 慢性的なストレス
  • 歯列接触癖(TCH)
  • 不良な姿勢
  • 不適切なかみ合わせ

これらの原因は生活習慣に密接に関連しており、多くの場合、複数の要因が重なって顎関節症を発症します。一人ひとりの患者さまのライフスタイルや具体的な症状に基づいたカスタマイズされた治療計画を立てることで、効果的な改善を目指します。

顎関節症の治療法

顎関節症の主要な治療法としてスプリント療法を採用しています。これは、患者さま専用に製作されるマウスピース型の装置(ナイトガード)を使用し、就寝時に装着していただく方法です。この装置により、歯や顎への圧力を軽減し、症状の緩和を図ります。その他、必要に応じて理学療法や薬物療法、認知行動療法などを組み合わせていきます。

【歯列矯正】

顎関節症が不適切なかみ合わせに由来する場合、歯列矯正を通じて歯並びとかみ合わせを正常化することが有効です。これにより、歯や顎にかかる不必要な圧力を解消し、症状の改善を図ります。

その他の治療

当院の口腔外科では、口腔粘膜疾患、嚢胞、口腔がんの診断も行っています。具体的な治療は必要に応じて専門的な大学病院や他の医療施設へのご紹介を行います。不安な症状がある場合は、遠慮なく当院までご相談ください。