入れ歯

失った歯の治療選択肢としての入れ歯

当院では、歯を失った方々に多様な入れ歯のオプションを提供しています。各種入れ歯には独自の特徴とメリットがあります。ここでは、入れ歯の基本情報と主な種類についてご紹介します。

入れ歯の概要について

入れ歯の歴史

入れ歯はどの時代の人たちから使っていたのでしょう?
実は入れ歯の歴史はとても古く、古代エジプト(紀元前500年!)や古代ギリシャやローマ、の遺跡からも発掘されています。この頃の入れ歯は象牙や獣骨や金などで作っていたようです。近代では18世紀に、西洋近代歯科医学の父と呼ばれるピエール・フォシャールの著書の中で総入れ歯についての記述があります。その中で紹介されている「スプリング付き陶製義歯」です。
これは上下の総入れ歯の後方に保持用のバネを取り付け、義歯を顎に押し付けることで安定させるものですが、実際には口の中では不安定であり、食物を噛むことは大変難しく、主として容貌を整えることと発音のための入れ歯でした。

ですから、食事の時には入れ歯を外し、食事が終わったらおしゃべりのために入れ歯を装着していたと言われています。なんとアメリカ初代大統領ジョージ・ワシントンもこの「スプリング付き陶製義歯」を使用していました。日本では戦国時代の遺跡から木製の入れ歯が発掘されています。
お気づきかもしれませんが、ヨーロッパでは紀元1800年位に出てきた入れ歯の基本的な形のものが、日本ではなお、調整には食紅や墨を使用し、強く当たる部位を特定していました。この方法は材料が異なるだけで現在と全く同じです。明治時代になると木製に代わる義歯が登場しました。西洋で開発された「ゴム製の義歯」です。
製法は現在のプラチック製の義歯に似たもので、木製義歯に比べるとかなり簡便なものでした。このゴム製の義歯は自動車のタイヤで有名なグッドイヤーが1855年に開発に成功したものです。
その後、1937年ドイツで現在の材質のアクリル系樹脂の入れ歯が開発され、日本に伝わりました。また、最近ではチタンを使ったものや、針金が目立たないきれいなタイプの入れ歯など、様々な種類の入れ歯が開発されています。

入れ歯のメリットとデメリット

メリット

  • 費用が安価である
  • 歯を削る量が少ない
  • 手術を必要としない
  • 掃除が簡単
  • 取り外しができる
  • 治療期間が短い

デメリット

  • 慣れるまで異物感がある
  • 見た目が悪い
  • 割れることがある
  • 外れやすい
  • 歯肉にあたる
  • 噛みにくい
  • イメージが悪い
  • 歯に負担がかかる
  • 食後の取り外し

部分入れ歯の選択肢

部分入れ歯は、一部の歯が欠けている状態の方向けの解決策です。
保険対象のプラスチック製以外にも、さまざまな選択肢があります。

保険診療の入れ歯

一般的な保険診療の入れ歯はレジン床義歯で、金属バネが銀色です。

メリット

  • 保険適用内である
  • 修理が容易である

デメリット

  • 違和感と異物感がある
  • 自然な見た目に欠ける
  • プラスチックは割れやすく、耐久性が低い
  • 食事や会話中に外れやすい
  • 歯茎に当たって痛みを引き起こす
  • 硬い食べ物が噛みづらい
  • 見た目が老けて見えることがある
  • 残った自然歯に過度の負担がかかる
  • 手入れの手間がかかる

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプデンチャーは、金属のバネを使用しないことで知られ、歯肉色のナイロン素材を使用しています。これにより、見た目が非常に自然であり、金属床と組み合わせて使用することも可能です。

メリット

  • 銀色のバネがないため、自然な見た目である
  • 弾力性が高い素材のため、歯茎との一体感がある
  • 独自の製造方法で変形が少なく、長期間のフィット感がある
  • 弾性を持つ素材で、割れにくく耐久性が高い
  • 金属床との併用も可能で、各患者さまに対応できる設計である

デメリット

  • 保険適用外
  • 壊れたときに修理が難しいが多い
  • 硬いブラシで磨くと傷がつく

チタン床入れ歯

チタンはその軽量性、強度、生体親和性の高さから、医療分野で広く使用されています。特にインプラントや入れ歯の床材としての利用が一般的です。

メリット

  • 軽量で薄型である
  • 丈夫で長持ちする
  • 熱伝導率が高いため、食べ物の温度を直接感じられる
  • アレルギー反応を起こしにくい

デメリット

  • 保険適用外
  • 特殊な材料のため高額である

コバルトクロム床入れ歯

コバルトクロム合金を使用した入れ歯は、耐久性とコストパフォーマンスに優れています。

メリット

  • 非常に強度が高く、壊れにくい
  • 熱伝導率が高いため、食べ物の温度を直接感じられる
  • 薄く設計でき着け心地が良い
  • チタン床よりも費用が安い

デメリット

  • 保険適用外
  • チタンと比べると厚みがある
  • チタンと比べると重い
  • 金属アレルギーを持つ人には不向き

白金加金床入れ歯

高貴な金属である金や白金を使用しており、精密な加工と優れた適合性を提供します。この素材は体にも優しく、美しい外観が魅力です。

メリット

  • 金属アレルギー反応を起こしにくい
  • 体に馴染みやすく、長時間でも快適である
  • 強度が高く、耐久性に優れている
  • 高級感あふれる外観

デメリット

  • 保険適用外
  • 重量感を感じることがある

総入れ歯(全部入れ歯)の種類

全ての天然歯を失った方向けの完全な歯科治療ソリューションです。この入れ歯には様々な材質が使用され、それぞれ異なる性質を持っています。

レジン床義歯

保険適用の標準型入れ歯は、一般的なレジン床義歯です。

メリット

  • 保険適用内である
  • 修理が容易である

デメリット

  • 違和感と異物感がある
  • 自然な見た目に欠ける
  • プラスチックは割れやすく、耐久性が低い
  • 食事や会話中に外れやすい
  • 歯茎に当たって痛みを引き起こす
  • 硬い食べ物が噛みづらい
  • 見た目が老けて見えることがある
  • 残った自然歯に過度の負担がかかる
  • 手入れの手間がかかる

チタン製義歯(フルデンチャー)

チタンはその軽量性、強度、生体親和性の高さから、医療分野で広く使用されています。特にインプラントや入れ歯の床材としての利用が一般的です。

チタン床義歯(入れ歯)の治療費用 1個 ¥350,000

チタン床義歯(入れ歯)の副作用・リスク

  • ① 義歯を固定する天然歯に負担がかかります。
  • ② 金属アレルギーのリスクがあります。

メリット

  • 軽量で薄型である
  • 丈夫で長持ちする
  • 熱伝導率が高いため、食べ物の温度を直接感じられる
  • アレルギー反応を起こしにくい

デメリット

  • 保険適用外
  • 特殊な材料のため高額である

コバルトクロム製義歯(フルデンチャー)

コバルトクロム合金を使用した入れ歯は、耐久性とコストパフォーマンスに優れています。

メリット

  • 非常に強度が高く、壊れにくい
  • 熱伝導率が高いため、食べ物の温度を直接感じられる
  • 薄く設計でき着け心地が良い
  • チタン床よりも費用が安い

デメリット

  • 保険適用外
  • チタンと比べると厚みがある
  • チタンと比べると重い
  • 金属アレルギーを持つ人には不向き

白金パラジウム合金製義歯(フルデンチャー)

高貴な金属である金や白金を使用しており、精密な加工と優れた適合性を提供します。この素材は体にも優しく、美しい外観が魅力です。

白金加金床義歯(入れ歯)の治療費用 1個 ¥250,000

白金加金床義歯(入れ歯)の副作用・リスク

  • ① 定期的に調整する必要があります。
  • ② 金属アレルギーのリスクがあります。

メリット

  • アタッチメントと磁石により、しっかりと固定されるので快適な装着感
  • ズレたり外れたりする心配がないため、食事や会話がスムーズ
  • 硬い食品も問題なく噛める

デメリット

  • 保険適用外のため高額になりやすい
  • 数回の手術と治癒期間が必要なため長くなる
  • 外科手術が必要であり、一定のリスクが伴う

インプラント義歯

インプラントを支えとして用いる入れ歯です。
インプラントの本数や配置は、骨の状態により異なります。
インプラントにアタッチメントや磁石を取り付け、入れ歯を固定します。

インプラント義歯(入れ歯)の治療費用 ①チタン床の場合 1個 ¥350,000
②コバルトクロムの場合 1個 ¥250,000

インプラント義歯(入れ歯)の副作用・リスク

  • ① 義歯を固定する天然歯に負担がかかります。
  • ② インプラントのオペが必要となりますので、身体への負担がかかります。

メリット

  • 快適な装着感の入れ歯(アタッチメントと磁石により、しっかりと固定されるので安心)
  • 食事や会話でズレたり、外れたりすることがない
  • 硬い食品も噛みやすい

デメリット

  • 保険が適用されず、費用が高額になりやすい
  • 治療期間が比較的長い
  • 外科手術を受けなければならない

入れ歯の維持と調整の必要性

入れ歯のメインテナンスの重要性挿入イメージ

入れ歯は精密なため、機能性を維持するためには定期的なメンテナンスが不可欠です。適切な管理に必要な重要ポイントをご紹介します。

経年変化と入れ歯の調整

入れ歯は使用と共に摩耗し、形状が変化します。定期的に歯科専門家によるチェックを受けることで、適合性の低下を早期に発見し、必要に応じて調整や修理を行います。特にプラスチック製は、時間とともに素材が劣化しやすく定期的な調整が必要です。

入れ歯のメインテナンスの重要性挿入イメージ

口腔内環境の変化

日々の口腔内の環境変化により、入れ歯のフィット感が変わることがあります。歯茎の退縮や顎骨の変化に応じて、入れ歯の調整が必要になります。

入れ歯の不適合によるリスク

入れ歯が適切にフィットしていない場合、歯茎や顎関節に不必要なストレスがかかります。これが痛みや他の口腔問題を引き起こす原因となることがあります。

正しい入れ歯ケアの学び

入れ歯は特別なケアが必要です。義歯ブラシや専用の洗浄剤を使用し、推奨される清掃方法を実践することが大切です。これにより、入れ歯を清潔に保ち、長持ちさせることができます。