一生自分の歯で噛むために!歯の寿命を延ばす生活習慣とは?

「できるだけ長く、自分の歯でしっかり噛んで食事を楽しみたい」
そんな願いを持つ人は少なくありません。
ですが実際には、日本人の多くが40代以降から歯のトラブルを抱え始め、80歳までに平均して10本以上の歯を失っているといわれています。
永久歯は一度生えそろったら二度と再生しないため、毎日のちょっとした習慣が、将来の歯の残り本数に大きく関わってくるのです。
今回は、「いつまでも自分の歯で噛む人生」を目指す方のために、歯の寿命をのばすための具体的な生活習慣をわかりやすく解説していきます。
目次
なぜ歯は老化しやすいのか?
身体の他の器官と同様に、歯も加齢とともに少しずつダメージを蓄積していきます。
特に影響が大きいのが、虫歯や歯周病、噛み合わせの問題、そして歯ぎしりや食いしばりです。
虫歯は歯の構造そのものを壊してしまうため、重度になると抜歯が必要になることもあります。
一方、歯周病は歯の土台となる骨や歯茎をじわじわと破壊していき、気づいたときには歯がグラグラしている、というケースも珍しくありません。
また、寝ている間の歯ぎしりや無意識の食いしばりが、歯に慢性的な負荷をかけていることも、寿命を縮める大きな原因です。
●歯の寿命をのばす!毎日のケアでできる生活習慣5つ
ここからは、歯の健康を保ち、できるだけ長く自分の歯を使い続けるためのシンプルかつ効果的な生活習慣を5つご紹介します。

1. フッ素入り歯磨き剤を日常使いする
フッ素には、歯の再石灰化を促進し、歯質を丈夫にする働きがあります。
虫歯の初期段階であれば、フッ素の力によって自然修復も期待できるため、日々のケアに取り入れて損はありません。
歯磨きの際は、フッ素配合の歯磨き剤を選び、磨いたあとは軽くすすぐ程度にとどめることで、有効成分を口内に残しやすくなります。
2. 夜の歯磨きを「丁寧に」行う
就寝中は唾液の分泌が減ることで、細菌が繁殖しやすくなります。
このタイミングで食べかすや歯垢が残っていると、虫歯や歯周病が進行するリスクが高くなります。
だからこそ、夜寝る前の歯磨きは“しっかりと時間をかけること”が大切です。
歯ブラシに加えて、フロスや歯間ブラシを組み合わせることで、歯のすき間や歯茎まわりの細かい汚れまで取り除くことが可能になります。
3. 「よく噛む」を意識して唾液を味方に
唾液には、虫歯や歯周病の原因菌を洗い流したり、口の中を中性に保つ働きがあります。
特に年齢とともに唾液量が減少しがちなため、日々の食事で「よく噛む」ことを意識するのは重要なポイントです。
一口あたり30回ほどを目安に咀嚼することで、唾液の分泌が自然と促進されます。
食後や口の乾きを感じたときには、キシリトールガムを噛む習慣を取り入れるのも有効です。
4. 定期的に歯科検診を受ける
歯のトラブルは、進行するまで自覚しづらいものです。
そのため、「異常がなくても歯科医院に行く」という意識が、歯を守るうえでとても重要です。
理想は3ヶ月〜半年に1回程度のペースで検診を受けること。
このタイミングでプロによる歯のクリーニングや、歯茎のチェック、噛み合わせの確認などを行っておけば、大きなトラブルを未然に防げます。
5. 歯ぎしり・くいしばりをコントロールする
強い咬合圧が歯にかかり続けると、エナメル質が削られたり、ヒビが入ったりといった目に見えないダメージが蓄積されます。
特に就寝中の歯ぎしりは無意識下で起こるため、「ナイトガード(就寝用マウスピース)」を装着することで歯を保護する方法が効果的です。
日中の食いしばりに関しては、「あごに力が入っていないか」を意識的に確認し、力を抜くクセをつけるだけでも、負担を軽減できます。
歯の健康=人生の質を左右する
歯を失うことは、見た目の変化や噛みにくさにとどまらず、食事の内容が制限されたり、発音に影響が出たりと、生活全体の満足度に直結します。
また、よく噛めない状態が続くと、栄養バランスの乱れや消化不良、さらには認知機能の低下とも関連があるとされています。
つまり、「自分の歯で噛める」ということは、健康で自立した暮らしを送るための大きな柱になるのです。
まとめ|“噛める幸せ”を未来まで守るために
自分の歯で食事を楽しむという、当たり前のようでかけがえのない日常。
それを守るためには、今日からの小さな習慣こそが最大のカギになります。
・フッ素の力で歯を守る
・就寝前の丁寧な歯磨きを習慣にする
・しっかり噛んで唾液を味方にする
・歯科医院と上手に付き合う
・歯ぎしり・食いしばりを見逃さない
これらの行動をコツコツと積み重ねることが、「一生自分の歯で噛む」未来をつくってくれます。
今の自分の歯を大切にしながら、健康的で豊かな毎日を送っていきましょう。
医療法人隆歩会 京橋あゆみ歯科クリニック
院長 野田大介