放置は危険?虫歯じゃないのに歯がしみる原因と今すぐ始める予防法

「冷たい飲み物を飲んだときに歯がしみる」「歯磨き中にズキっと痛む」——こんな症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
歯がしみると「虫歯かも?」と心配になりますが、実は虫歯がなくても歯がしみる原因はたくさんあります。
この記事では、歯がしみる原因としてよくある5つの理由と、すぐにできる具体的な対処法を詳しくご紹介します。
「なぜ歯がしみるのか分からない」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1. 知覚過敏(歯が過敏になる状態)
まず、歯がしみる原因として一番多いのが知覚過敏です。
知覚過敏とは、歯の内部にある象牙質が露出することで、冷たいものや甘いもの、歯ブラシの刺激に対して過敏に反応する状態です。
通常、象牙質はエナメル質に守られていますが、次のような習慣でその防御が壊れてしまいます。
【知覚過敏を引き起こす原因】
強くこすりすぎる歯磨き
硬すぎる歯ブラシの使用
歯ぎしり・食いしばり
酸っぱい飲食物(炭酸、柑橘類など)の過剰摂取
【知覚過敏への対応策】
やわらかい歯ブラシを使って力を入れすぎずに磨く
知覚過敏用の歯磨き粉を活用する
歯ぎしりの癖がある人はマウスピースで歯を保護する
2. 歯にできた細かいヒビ(マイクロクラック)
歯の表面にできる目に見えないほど小さなヒビも、歯がしみる原因の一つです。
特に、普段から歯ぎしりをしている方や、硬いもの(氷・飴・ナッツなど)を頻繁に噛む方に多く見られる症状です。
歯のヒビは小さくても神経まで刺激が届くことがあり、冷たいものや歯ブラシの刺激で痛みを感じるようになります。
【歯にヒビができる原因】
日常的な歯ぎしり
無意識の食いしばり
氷や硬い食べ物を噛む習慣
【対策】
歯科医院でヒビが入っていないか診断
歯ぎしり防止のマウスピース装着
硬い食べ物は無理に噛まない
3. 歯ぐきが下がることで露出した歯の根元
加齢や歯周病、間違ったブラッシングにより**歯ぐきが下がる(歯肉退縮)**と、通常は歯ぐきに隠れている歯の根元がむき出しになります。
この部分は非常に敏感なため、冷たいものや歯ブラシが当たると「キーン」としみる原因となります。
【歯ぐきが下がる主な原因】
歯周病や歯肉炎
ゴシゴシと強く磨く歯磨き
加齢に伴う自然な後退
【効果的な対策】
歯ぐきにやさしいソフトな歯ブラシで磨く
歯周病の治療と予防
必要に応じて歯科で知覚過敏抑制の処置
4. ホワイトニング直後の一時的なしみ
最近人気の歯のホワイトニングですが、施術後に一時的に歯がしみることは珍しくありません。
ホワイトニングの薬剤が歯の表面のエナメル質に作用することで、一時的に神経が敏感になるためです。
このしみる症状は通常、数日から1週間以内で落ち着きますが、気になる場合は無理せず歯医者に相談しましょう。
【対策】
しみ止めジェルの使用
施術後しばらくは冷たい・酸っぱい食べ物を控える
症状が長引くときは歯科医のアドバイスを受ける
5. ストレスや体調不良も原因に?
あまり知られていませんが、ストレスや疲労も歯がしみる原因になることがあります。
ストレスがたまると無意識に歯ぎしりや食いしばりをしてしまい、その負担が歯にダメージを与えて知覚過敏のような症状を引き起こします。
【こんな症状があれば要注意】
朝起きたとき顎が痛い・疲れている
頭痛や肩こりがひどい
無意識に歯を食いしばっている
【対策法】
歯ぎしり対策のためマウスピースの利用
リラックス時間を意識的にとる
十分な休息と睡眠
【まとめ】虫歯じゃない歯のしみる原因とその対応
歯がしみる原因は虫歯だけではなく、日常生活の中にたくさん潜んでいます。
次のような対応で多くの場合、改善が期待できます。
知覚過敏:やさしい歯磨き、専用歯みがき粉、歯ぎしり対策
歯のヒビ:歯科診察、マウスピース、硬いものを避ける
歯ぐき下がり:正しい歯磨き、歯周病ケア
ホワイトニング後:しみ止めジェル、冷たいものを控える
ストレス:リラックス法、睡眠、マウスピース

■ 歯がしみると感じたら歯科医院で相談を!
「虫歯じゃないから大丈夫」と思って放置するのは危険です。
歯がしみる背景にはさまざまな原因が隠れているため、歯科医院でのチェックが大切です。
今では削らない治療法やしみ止めコーティングなども行われていますので、無理に我慢せず専門家に相談しましょう。
医療法人隆歩会 京橋あゆみ歯科クリニック
院長 野田大介