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歯科医が教える!年代別おすすめ歯磨き粉と正しい使い方のコツ

歯磨き粉が出ている様子

歯磨き粉には「泡立つタイプ」と「泡立たないタイプ」が存在し、それぞれに特徴があります。使用者の年齢や口腔ケアの目的に応じて、最適な製品を選ぶことが重要です。本記事では、これらの種類ごとの特長や選び方のポイントを解説します。

泡立つタイプの歯磨き粉

泡立つ歯磨き粉は、発泡剤を配合している製品で、一般的に広く使用されています。ほとんどの市販歯磨き粉がこのタイプに該当します。

 

◦メリット:広範囲を効率的に洗浄

・口内全体をスピーディーに洗浄

発泡により歯磨き粉が歯や歯茎に行き渡りやすく、短時間で口腔全体を清掃できます。

・磨き終わりの爽快感

ミント系などのフレーバーと泡の効果で、磨き終えた後に清涼感が広がります。この爽快感は、多くの人が歯磨き後に求めるものです。

 

◦デメリット:磨き残しのリスク

・視覚的な確認が難しい

泡が多いと歯の表面が見えにくくなり、しっかり磨いたつもりでも磨き残しが発生する可能性があります。また、爽快感から磨いた気になり、磨き残しが多くなる傾向があります。

・口内への刺激

発泡剤や香料が強めの製品は、口内の粘膜や歯茎を刺激しやすいことがあります。特に、敏感肌の方には注意が必要です。

 

◦おすすめの方

成人の方や爽快感を重視する方に向いています。忙しい日々の中で効率的に口腔ケアを行いたい人にもおすすめです。

 

泡立たないタイプの歯磨き粉

泡立ちを抑えた歯磨き粉は、低発泡または無発泡の製品です。口内が敏感な方や、丁寧に磨きたいという方適しています。

 

◦メリット:丁寧に磨ける

・細部までしっかり磨ける

泡が少ないため、歯の状態を確認しながら丁寧に磨くことができます。これにより、歯と歯の隙間や歯周ポケットの汚れをしっかり除去できます。

・低刺激で安心

発泡剤や強い香料を使用していないため、口腔内が敏感な人でも快適に使用可能です。歯茎の炎症や口内炎のリスクがある方にとって、負担が少ない製品です。

 

◦デメリット:爽快感が控えめ

・スッキリ感が少ない

泡立つタイプと比べると、磨き終わりの清涼感が物足りなく感じる場合があります。

・慣れるまで違和感がある

初めて使う人は、泡が少ないことで磨き足りないように感じることがあるかもしれません。

 

◦おすすめの方

小さなお子様や高齢者、また歯茎が弱い人におすすめです。歯周病予防のために、歯と歯茎をしっかりケアしたい方にも適しています。

 

年齢やニーズに応じた歯磨き粉の選び方

◦子ども向けの歯磨き粉

子ども用には、フッ素を適量含む製品を選ぶことが重要です。フッ素は、初期の虫歯を修復する再石灰化を促進し、虫歯のリスクを軽減します。また、子どもの好みに合う甘い風味やフルーツ味の製品を選ぶことで、歯磨きを楽しい習慣に変えることができます。

◦高齢者向けの歯磨き粉

高齢者は唾液分泌量が減少し、口腔内が乾燥しがちです。そのため、保湿効果のある成分を含む歯磨き粉が適しています。また、口臭ケアに特化した製品も役立ちます。加えて、低発泡タイプを選ぶことで、歯茎や口内への刺激を最小限に抑えることができます。

 

歯科医が推奨する歯磨き粉選びのポイント

私達歯科医師では、以下の点を意識して選ぶことが推奨されています。

◦フッ素濃度の確認

歯の健康を維持するためには、フッ素が1000ppm以上含まれている製品を選ぶと効果的です。フッ素は歯質を強化し、虫歯予防に役立ちます。

◦使用感を重視

歯磨き粉は継続使用が重要です。そのため、味やテクスチャーが自分に合ったものを選ぶことが大切です。例えば、ミントの強さやフレーバーの好みを基準に選びましょう。

◦成分表示の確認

敏感な口内には、発泡剤や香料が控えめな製品、あるいは無添加のものが推奨されます。また、歯を傷つけにくい研磨剤を使用しているかも重要なポイントです。

 

まとめ:自分に合った歯磨き粉で効果的なケアを

歯磨き粉の選び方は個々のニーズによって異なります。泡立つタイプと泡立たないタイプ、それぞれの特性を理解した上で、自分に最適な製品を選びましょう。また、適切な磨き方を心がけることで、歯磨き粉の効果を最大限に引き出すことができます。定期的な歯科検診も併用し、健康な口内環境を維持することが大切です。

 

院長 野田大介

医療法人隆歩会 京橋あゆみ歯科クリニック

院長 野田大介