舌の正しい位置で歯並び改善!スポットにする効果とは?
目次
舌の理想的なポジションとは?
舌の位置は、口腔内の健康を保つための重要な要素です。正しい位置とは、舌先が上の前歯のすぐ裏側にある「スポット」と呼ばれる部分に軽く触れ、舌全体が上顎(口蓋)に広がって接している状態を指します。この舌のポジションを保つことにより、歯並びや呼吸機能の正常化が期待できます。
舌が正しくない位置にある場合のリスク
1. 歯並びへの影響
舌の位置が適切でない場合、次のような歯並びの問題を引き起こす可能性があります。
・出っ歯や開咬の原因
舌が常に前方に押し出されると、上の前歯が前方に突出し、いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態が生じやすくなります。また、上下の前歯が噛み合わない開咬のリスクも高まります。
・歯列の乱れ
舌が上顎に正しく当たらない場合、歯が内側に倒れたり不規則に並んだりすることがあります。これにより、歯列の全体的なバランスが崩れます。
・矯正治療後の後戻り
矯正治療によって歯並びが改善されても、舌の位置が改善されない場合、矯正後の歯が元の位置に戻る「後戻り」が起こる可能性が高まります。
2. 呼吸への影響
舌の位置は、呼吸の質にも大きく影響します。
・口呼吸の習慣化
舌が下がった位置にあると、口が開きやすくなり、口呼吸が習慣となります。口呼吸は、虫歯や歯周病、さらには口臭の原因にもなります。さらに、口呼吸は睡眠時無呼吸症候群(SAS)を引き起こすリスクを高めます。
・鼻呼吸の妨げ
舌が下がると、気道が圧迫され鼻呼吸が困難になります。その結果、酸素摂取量が低下し、体全体のパフォーマンスや睡眠の質に悪影響を及ぼすことがあります。
舌の正しい位置を保つことの重要性とメリット
・自然な歯並びの維持・改善
舌の力が正しい位置で作用すると、歯列を適切に支え、自然に整える効果が期待できます。これにより、矯正器具に頼らなくても歯並びが良くなる場合があります。
・呼吸機能の改善
正しい舌の位置は気道を広げ、鼻呼吸をスムーズにします。これにより、日常的な酸素供給が向上し、集中力の向上や疲労感の軽減、睡眠の質の改善が期待されます。
・成長期の骨格形成への良い影響
特に子どもの成長期において、舌が正しい位置にあることで、顎の発育が適切に進みます。これにより、将来的な歯列矯正の必要性が軽減されることがあります。
舌の位置を正すための具体的なアプローチ
正しい舌の位置を維持するためには、以下のようなトレーニング方法が有効です。
・Mewing(ミューイング)トレーニング
舌全体を上顎にしっかりと押し付け、口を閉じた状態で鼻呼吸を行うトレーニング法です。イギリスの歯科医ジョン・ミュー博士が提唱したこの方法は、顔の骨格や歯列の改善に寄与するとされています。
・無糖ガムを使用した練習
無糖のガムを噛みながら舌を上顎に押し付けることで、舌の筋力を鍛えつつ、正しい位置を習慣化することができます。
・スポットタッピング練習
舌先を「スポット」に軽くタッピングする練習を繰り返すことで、舌が自然と正しい位置に収まるようになります。
舌の位置に関する誤解とその真実
・「舌はリラックスしていれば十分」という誤解
舌をリラックスさせることは確かに重要ですが、完全に無意識に任せると舌が下がりすぎることがあります。この状態が続くと、歯並びや呼吸の問題が発生するリスクが高まります。
・「矯正治療後は問題が解決する」という誤解
矯正治療で歯並びを整えた後でも、舌の位置を適切に維持しないと、治療前の状態に戻ることがあります。舌の位置を正すことは、矯正治療後の安定を保つためにも不可欠です。
まとめ
舌の位置を正しく保つことは、歯並びの改善や呼吸機能の向上に欠かせません。日常生活の中で舌の位置を意識し、正しいポジションを習慣化することで、長期的な口腔内の健康維持が可能になります。もし歯並びや呼吸の問題が気になる場合は、歯科医や矯正歯科専門医に相談することをおすすめしております。私達専門家は、舌の位置改善に役立つ具体的なアドバイスやトレーニングを提案し、お話させていただきます。また、症状に応じて適切な治療法もさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
医療法人隆歩会 京橋あゆみ歯科クリニック
院長 野田大介