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どうやって治療方法を選ぶ?歯を無くしたときの治療方法について解説します!

 

歯を失うことは、見た目だけでなく、噛む力や食生活、健康面にも大きな影響を及ぼします。失った歯を補うための代表的な治療法には「部分入れ歯」と「インプラント」がありますが、どちらが適しているかは生活スタイルや健康状態、費用などに左右されます。本記事では、両治療法の違いや治療の流れ、専門的な視点から考えるメリット・デメリットを解説し、最適な選択肢を見つける参考になれば幸いです!

 

歯を失ったままにするリスクと口腔内への影響

歯を失った状態を放置すると、口腔内全体に以下のような問題が生じる可能性があります:

◦噛み合わせの乱れ:失った歯の隣の歯が空いたスペースに傾き、噛み合わせが不安定に。

◦口腔環境の悪化:歯がない部分に食べかすやプラークが溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まる。

◦顎骨の萎縮:特にインプラントを選ばない場合、歯の根がなくなることで顎の骨が痩せていきます。これにより、将来的に他の歯や顔の輪郭が変化する恐れもあります。

 

部分入れ歯とインプラントの違いを知る

部分入れ歯とインプラントは、失った歯を補うための代表的な治療法ですが、その構造や治療工程に大きな違いがあります。

 

部分入れ歯:手軽な取り外し可能な義歯

 

構造と装着方法

部分入れ歯は、失った歯の両隣にワイヤーなどの留め具をかけて義歯を支える仕組みです。簡単に取り外しができ、定期的にメンテナンスが可能です。

 

治療の流れ

1.口腔内診断:失った歯の周辺状況を確認し、部分入れ歯が適しているかを判断します。

2.型取り:歯型を取って義歯を作成します。義歯の色や形もできるだけ自然なものを選択します。

3.装着と調整:完成した部分入れ歯を装着し、噛み合わせやフィット感を調整します。

 

メリット

取り外しが可能で、清掃が容易

保険適用されるケースが多く、コストが抑えられる

歯が増えた場合でも比較的柔軟に調整が可能

 

デメリット

噛む力が弱く、食事時に違和感を感じることが多い

見た目でワイヤーが見えることがあり、審美性に影響が出る

装着時に隣の歯に負担がかかるため、長期的には支えの歯がぐらつくリスクがある

 

インプラント:天然の歯に近い噛む力と安定性を再現

 

構造と装着方法

インプラントは、歯の根の代わりとなるチタン製の人工歯根を顎骨に埋め込む外科的な治療法です。この人工歯根がしっかりと固定されることで、天然歯と同じような噛む力と安定性が得られます。

 

治療の流れ

1.顎骨検査と治療計画:顎の骨量や健康状態を確認し、インプラントが可能か診断します。

2.外科手術(インプラント埋入):顎の骨に人工歯根を埋め込む手術を行います。この後、骨とインプラントが結合するまで数ヶ月の治癒期間を要します。

3.アバットメントと人工歯の装着:結合が確認されると、アバットメントという中間の連結部分を取り付け、人工歯(上部構造)を装着します。

 

メリット

顎骨に固定されているため、天然の歯と同等の噛む力を維持できる

隣の歯に影響を与えず、長期的に口腔環境を保護できる

見た目が自然で、審美性に優れている

 

デメリット

外科手術が必要で、骨の状態や健康状態によっては適応外になることがある

治療期間が長く、費用が高額になりやすい

定期的なメンテナンスと適切なケアが不可欠で、口腔衛生の維持が重要

 

自分に合った治療法を選ぶためのポイント

治療法を選ぶ際には、次の要素を参考にしてください。

 

ライフスタイルとメンテナンスのしやすさ

部分入れ歯は取り外しができ、自分で清掃がしやすいですが、インプラントは固定されているため、定期的な歯科でのクリーニングが推奨されます。日々のメンテナンスにかける時間や負担も考慮しましょう。

 

審美性と噛む力

審美性や噛む力を重視する場合、インプラントが最適です。特に人前に立つ仕事や外見にこだわる方には、自然な見た目で強度も高いインプラントが推奨されます。

 

費用と治療のタイミング

部分入れ歯は保険適用で費用を抑えられますが、インプラントは自由診療が多く、治療費が高額です。長期的な投資として考えるか、初期費用を重視するかで選択が変わります。

 

口腔内の健康状態

インプラントは顎骨の健康状態が良好でなければ受けられない場合もあるため、事前の検査が必要です。顎骨の骨量が不足している場合、骨移植などの治療が必要になることもあります。

 

部分入れ歯とインプラント、どちらが最適か?

どちらの治療法も長所と短所があるため、自分のライフスタイルや健康状態、希望する噛む力や見た目に合わせて選択することが大切です。部分入れ歯は短期間で治療が完了しやすく低コストですが、噛む力や審美性に限界があります。一方、インプラントは見た目も自然で噛む力も強いですが、費用が高額で治療期間が長期にわたることが一般的です。

どちらの治療法を選ぶ場合でも、定期的な歯科メンテナンスを欠かさずに行うことが、健康な口腔環境を維持するために重要です。

 

歯を失ったら、信頼できる歯科医と相談を

治療法を決定する前に、信頼できる歯科医院で口腔内の状態を確認し、適切なアドバイスを受けることが推奨されます。失った歯を補うことで、健康的で快適な生活を続けられるよう、最適な治療法を選びましょう。歯を失うリスクを軽減するためにも、日常のケアを怠らないようにし、定期的な歯科健診を心がけてください。

次回もまた歯科に関する知識やお悩みについて詳しく解説します。どうぞお楽しみに!

 

医療法人隆歩会 京橋あゆみ歯科クリニック

院長 野田大介 監修