• 歯科コラム

歯科医が解説する、口内炎のタイプ、原因、そして予防策

口内炎とは、口腔内に現れる小さな潰瘍で、しばしば痛みを伴う疾患です。食事や会話中に鋭い痛みを感じることがあり、時には安静にしている時でも持続的な不快感を引き起こします。多くの人が一度は経験したことがあるかもしれません。
口内炎は一言で表すことができません。実際には、その原因や種類によって異なり、治療法も異なる場合があります。ここでは、代表的な口内炎の種類と原因、そして予防法について詳しく説明します。

 

 

口内炎の種類

アフタ性口内炎(アフタ潰瘍)

アフタ性口内炎は、最も一般的な口内炎の一種です。このタイプの口内炎は、中心が白色または黄色に変色し、周囲が赤く縁取られる潰瘍を特徴としています。ストレスや免疫力の低下、栄養不足(特にビタミンB群の不足)が主な原因です。

ウイルス性口内炎

ウイルス性口内炎は、ヘルペスウイルスやコクサッキーウイルスなどの風邪ウイルスが原因で発生します。特徴的な症状には、口腔内にできる小さな水疱が挙げられます。これらの水疱は破れ、痛みを伴う潰瘍に変わることがあります。広範囲にわたることが多く、非常に強い痛みを引き起こすことがあります。

抜歯後の歯磨きにも注意が必要です。特に最初の数日間は傷口を刺激しないよう、以下の点に注意しましょう。

●当日の歯磨き: 抜歯した側を避けて歯磨きを行い、傷口にブラシが当たらないようにしましょう。
●2〜3日後の歯磨き: 軽くブラシを当てる程度で汚れを取り除きます。抜歯窩には血餅(血の塊)が形成されており、これを傷つけないように注意してください。
●1週間後の歯磨き: 1週間ほど経過し、腫れや痛みがなくなったら、通常の歯磨きに戻しても問題ありません。
また、強くうがいをすると血餅が落ちることがありますので、最初の数日はやさしくうがいをしましょう。

カタル性口内炎

カタル性口内炎は、入れ歯や矯正器具、または不整な歯の並びなどの物理的な刺激が原因で発生します。これらの刺激により口腔内の粘膜が傷つき、その傷口に細菌が感染して炎症が生じることがあります。原因となる物理的刺激を取り除かない限り、再発することが多いです。

 

口内炎の原因

口内炎の発生には多岐にわたる要因が関与しています。以下に主要な要因を挙げます。
●ストレスと生活習慣: 過度な飲食、偏った食事、睡眠不足、栄養不良(特にビタミンB12、鉄分、葉酸の不足)などが口内炎の原因となります。
●物理的刺激: 唇や頬の内側を噛む癖や、入れ歯や矯正器具の刺激が挙げられます。
●感染症: 性行為やキスなどにより、ウイルスや細菌が感染することがあります。
●健康状態: 体の免疫力が低下している時や、糖尿病などの持病がある場合、口内炎が発生しやすくなります。
また、加齢やドライマウス(口腔乾燥症)も口内炎の発生を促進する要因です。これらの要因が複合的に作用することで、口内炎が発症します。

 

口内炎の治療と予防法

口内炎の治療や予防法は、その原因に応じて異なりますが、一般的には以下の方法が推奨されます
●規則正しい生活習慣の維持: バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動が重要です。特にビタミンB群や鉄分、葉酸を多く含む食品を積極的に摂取しましょう。
●ストレスの管理: リラクゼーションや趣味の時間を設けることで、ストレスを軽減することが大切です。
●口腔内のケア: 毎日の歯磨きやデンタルフロスの使用に加え、適切な入れ歯や矯正器具の管理も欠かせません。アルコールを含まないマウスウォッシュの使用も効果的です。
●栄養バランスの取れた食事: 特にビタミンB群の摂取が重要です。ビタミンB2やB6は細胞の新陳代謝を促進し、口内炎の予防に寄与します。
口内炎が頻繁に発生したり、長期間続く場合は、専門の歯科医師に相談することをお勧めします。健康な口腔環境を維持するためには、定期的な歯科検診が重要です。歯科医院での適切なケアとアドバイスを受けることで、口内炎の予防と治療に役立ててください。

 

監修:医療法人隆歩会理事長 歯学博士 福原隆久