歯を失ったときの治療法:インプラント・ブリッジ・入れ歯|よくある質問(Q&A)
歯を失ってしまったとき、「どうすれば元のようにしっかり噛めるのだろう?」と悩む方も多いでしょう。実は、歯を補う治療法にはさまざまな選択肢があり、生活スタイルやご予算に合わせて最適な方法を選ぶことができます。このページでは、インプラントやブリッジ、入れ歯といった代表的な治療法を分かりやすくご紹介し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。自分にぴったりの治療法を見つけ、快適な生活を取り戻しましょう。 以下に、歯を失ったときの治療法についてQ&A形式で解説いたしますので、ぜひご参考ください。
目次
Q1. 歯を失ったままだとどんな影響がありますか?
A: 歯が抜けたままの状態で放置すると、噛む力が低下し、食べ物を十分に噛み砕くことができなくなります。そのため消化不良や栄養の偏りが生じやすく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。また、失った歯の隣の歯が傾いたり、噛み合わせがずれたりすることがあり、歯並びや顎関節にも負担がかかることがあります。こうした影響を防ぐために、早めに適切な治療を受けることが大切です。
Q2. 歯を失ったときの治療法にはどのような選択肢がありますか?
A: 歯を失った際の主な治療法には、「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」の3種類があります。以下でそれぞれの治療法について詳しく説明します。
Q3. インプラント治療とは何ですか?メリットとデメリットは?
A: インプラントは、失った歯の代わりに人工の歯根(インプラント体)を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯(クラウン)を取り付ける方法です。
◦メリット
自然な見た目と噛み心地:天然歯に非常に近い見た目で、しっかりとした噛み心地が得られます。特に硬い食べ物も問題なく噛むことができ、食生活の幅が広がります。
隣接歯に負担をかけない:ブリッジ治療と違い、隣の健康な歯を削る必要がありません。そのため、他の歯への影響を最小限に抑えられます。
長期間の安定性:メンテナンスを続けることで長期間使用でき、20年以上持つケースも少なくありません。
◦デメリット
手術が必要:インプラント体を顎骨に埋め込むための手術が必要です。一般的に数か月の治療期間がかかり、全身疾患がある場合や骨の量が不足している場合は適応が難しいともあります。
治療費が高額:保険適用外であることが多く、治療費が高くなる場合がほとんどです。
※インプラント治療は、顎の骨との結合(オッセオインテグレーション)により、しっかりと固定される仕組みです。ただし、骨量が不足している場合には「骨移植」や「ソケットリフト」といった骨再生術が必要になることがあります。
Q4. ブリッジ治療とは何ですか?メリットとデメリットは?
A: ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えとして橋をかけるように人工の歯を装着する治療法です。
◦メリット
短期間で治療が完了する:手術が不要で、通常の歯科治療と同様に数回の通院で治療が完了します。
安定した噛み心地:固定されているため、食べ物を噛む際に動くことがなく、ある程度の硬い食べ物も噛むことができます。
保険適用が可能な場合が多い:保険が適用されやすく、治療費が抑えられるケースが多いです。
◦デメリット
健康な歯を削る必要がある:隣の歯を削ることで支えとするため、健康な歯が損傷を受けるリスクがあります。
耐久性がやや劣る:インプラントに比べて長期的な安定性が低く、数年後に修理や再治療が必要になることが多いです。
※ブリッジ治療では、両隣の支えとなる歯(支台歯)の状態が重要です。支台歯の根の強度や歯周組織が健康でなければ、ブリッジの寿命が短くなる可能性があり、場合によっては支台歯の根幹治療が必要になることもあります。
Q5. 入れ歯治療とは何ですか?メリットとデメリットは?
A: 入れ歯は、失った歯の代わりに取り外し可能な人工の歯を装着する方法で、部分入れ歯や総入れ歯があります。
◦メリット
取り外しが可能:入れ歯は取り外しができるため、口内を清潔に保ちやすいです。口腔内の衛生管理がしやすく、虫歯や歯周病のリスクを減らせます。
治療費が比較的安い:保険適用が可能な場合が多く、比較的安価で治療を受けることができます。
適応範囲が広い:顎骨の状態や年齢に左右されにくく、幅広い患者に対応しやすい治療法です。
◦デメリット
噛む力が弱い:インプラントやブリッジに比べて噛む力が弱く、硬い食べ物を噛むのが難しい場合があります。
装着感に違和感が生じやすい:装着に慣れるまでは違和感があり、経年によるズレや不快感が生じる場合もあります。また、入れ歯が動くことで口腔内が傷つきやすいです。
※入れ歯は、適切な噛み合わせ(オクルージョン)が重要で、これが正しく合わないと、顎や他の歯に負担がかかります。特に総入れ歯では、吸着力を高めるためにシリコン系や金属系の特殊素材を用いることが多く、安定性を保つための「義歯安定剤」が必要になる場合もあります。
Q6. 自分に合った治療法の選び方は?
A: どの治療法が最適かは、歯を失った場所や数、周囲の歯の状態、顎骨の質、予算、ライフスタイルに応じて異なります。まずは歯科医に相談し、現在の口腔環境や健康状態に合わせた選択肢を検討することが重要です。
歯を失った場合、まずは歯科医としっかり話し合い、治療法についてのメリット・デメリットを把握し、自分にとって最も適した方法を選びましょう。また、治療後も口腔内の健康を保つために、定期的な検診やセルフケアを忘れずに行うことが、長く快適な口内環境を保つために欠かせません。